UPSKILL WORKSが「全部還元ステージ」を制度にした理由

会社が抜かない。それが、エンジニアの尊厳を守ることだと思う。


SES業界に長くいると、ある種の“当たり前”に麻痺してしまうことがあります。

例えば「中間マージンは仕方がないものだ」という空気。
会社が売上の3割〜5割を抜いて、ようやく利益が出る。
営業費、人件費、教育費…そのすべてを理由に、エンジニアに回る報酬は“残りもの”である。

でも僕たちは、それを「仕方ない」で終わらせたくなかった。


なぜ、単価が上がっても給与が増えないのか?

エンジニアの成長に合わせて、案件単価が月10万、20万と上がっても――
給与は変わらない、もしくは数千円〜1万円しか増えない。

これは、明らかに“報酬の構造”に問題がある。

それなのに、「文句を言うな、会社の経費なんだ」と言われて終わるのが普通のSES。

だから僕たちは、構造そのものを変えたんです。


「全部還元」は、経営の“覚悟”です。

UPSKILL WORKSは、エンジニアに対して
・案件単価の開示
・給与との完全連動
・支給ベースで68〜84%の実還元率
を制度化しています。

さらに在籍11年目以降は、会社の利益を取らず、**すべてを給与に還元する「全部還元ステージ」**を用意しました。

これは口先だけの「エンジニアファースト」ではありません。
“構造としてエンジニアに報いる”という経営の意思表示です。


なぜそこまでやるのか?

それは、会社が信用に値する存在であるべきだと思っているからです。

IT業界には優秀な人が多い。でも、会社に期待していない人も多い。
「どうせ抜かれる」「結局フリーランスがマシ」と言われてきました。

でも、“抜かない会社”があるなら、その信頼関係を前提に、もっと成長できるし、仲間とも協働できる。

そして、後輩を育てる先輩が現れ、文化が育ち、技術が循環していく。

それが僕たちの目指す組織です。


抜かないことで、むしろ強くなる

「そんなことして会社が儲かるの?」と聞かれることがあります。

正直、短期的には利益は取りません。
でも、長期的に見れば、「抜かないことで辞められない会社」になります。

信頼が積み重なり、優秀なエンジニアが残り、育ち、紹介が生まれ、強いチームになる。
だから、全部還元は“理想論”ではなく、経営戦略”でもあるんです。


エンジニアの誇りを守れる会社を

SESという働き方は、まだまだ誤解されがちです。

でも僕らは信じています。
「報酬がフェア」であれば、SESは自由で安定した最強のキャリアになれる。

だからこそ、会社が抜かないという選択に、本気で向き合っていきます。


「どうせまた、どこかで抜かれるんでしょ?」
そう思っていたすべてのエンジニアに、僕たちの仕組みを届けたい。

全部還元。それは、エンジニアの尊厳を守るということです。

── 冨岡 一輝 / UPSKILL WORKS 代表