自分の単価を知らないエンジニアが報われない理由──SES業界の構造を変えるために
「自分の単価、知っていますか?」
この問いに即答できるエンジニアは、驚くほど少ないのが現実です。
SES業界では、企業がクライアントから受け取る“契約単価”と、エンジニア本人に支払われる“給与”の間に、いくつものレイヤーが存在します。その構造が、エンジニア自身の価値を曖昧にし、努力が正当に評価されない仕組みを生んでいるのです。
しかし、時代は変わりつつあります。
AIや生成技術の進化により「個人のスキル価値」が可視化され始め、旧来の“ブラックボックス構造”はもはや持続しません。
この変化を前に、私たちは問いたいのです。
「誰のための評価制度なのか?」「なぜ努力が数字に反映されないのか?」
本記事では、業界が抱える構造的課題を整理し、UPSKILL WORKSがどのように“透明性”という武器で再定義を試みているのかをお伝えします。
1. 業界の構造がつくる「不透明な努力」
多くのエンジニアがSES(システムエンジニアリングサービス)という形態で働いています。
クライアント企業 → 元請け → 二次請け → 三次請け → エンジニアという多重構造の中で、上流で得られる利益の一部だけが現場に届くのが実態です。
たとえば、クライアントが月80万円で契約している案件に、エンジニアには40万円の給与しか支払われないケースがあります。
この「残りの40万円」がどこに消えているのか、説明できる企業はほとんどありません。
その不透明さこそが、エンジニアが「評価されていない」と感じる根本原因です。
2. 認識ギャップが信頼を奪う
企業側は「教育・営業・管理コスト」を理由に中抜きを正当化します。
しかしエンジニア側からすれば、「実際にどれだけ自分に還元されているのか」が見えなければ納得感は得られません。
評価制度も「定性評価」や「上司判断」に依存するケースが多く、成長が数字として可視化されない──これが“信頼の欠如”を生む最大の原因です。
この構造では、優秀な人ほど報われにくく、スキルアップが組織の利益と直結しない。
結果として、エンジニアは「自分の価値を知るために転職する」しかなくなる。
この悪循環が、業界全体の生産性を下げているのです。
3. UPSKILL WORKSが示す“新しいあたりまえ”
私たちは、この構造そのものを変えることを目的にUPSKILL WORKSを設立しました。
方針はシンプルです。「全てを開示し、全てを還元する」。
- 契約単価をエンジニア本人に全公開
- 還元率は明確な数値(例:80〜90%)で提示
- スキル・貢献度・市場単価に基づいた客観的評価
- 昇給や転籍もデータに基づく透明なプロセス
この仕組みは「他社より高い」ことを誇るためではありません。
“仕組みとしての必然”なのです。
個人が強くなる時代に、情報を隠す企業は淘汰される。
逆に、個人が“自分の市場価値”を理解し、主体的にキャリアを選べる企業だけが信頼される。
私たちは、その“新しい当たり前”を業界に提示したいのです。
4. 評価を変えることは、文化を変えること
「評価制度の透明化」とは、単なる給与設計の話ではありません。
それは、企業文化の再設計です。
自分の努力が“どこにどう反映されているのか”が明確になることで、人は主体的に動ける。
その積み重ねが組織の成長エンジンとなり、業界全体の健全性を高めていく。
UPSKILL WORKSは、評価の仕組みを変えることで「信頼でつながるSES」をつくる挑戦を続けています。
エンジニアは“歯車”ではなく、“価値そのもの”です。
その努力と才能が正当に報われる社会を、私たちは本気でつくりたい。
制度を変えることは、文化を変えること。
そして文化が変わるとき、業界の未来も変わる。
UPSKILL WORKSは、そんな「希望の仕組み」を現実にしていきます。